工業用ヒーターの選び方について

まず「工業用ヒーター」とは何かと申し上げますと、さまざまな種類の生産現場や製造ラインにおいて欠かせない存在であり、気体・液体・個体(金属など)の加熱に使われるものです。

それぞれの対象物や用途・使用する環境などの条件に合った種類が存在し、研究や工業分野での高温加熱技術に特化した専門のメーカーが製造している器機になります。

大きく分けると「光」と「熱風」の2つのヒーターの種類があり「光」の場合、ハロゲンランプの光を集中して約1500℃までヒートすることが可能です。

原理は約2800℃のランプからの光放射を集中することで加熱し、利点としては熱媒体なしで直接熱することができるので真空中の試料加熱が可能で対象物が、風で吹き飛ばされる心配がありませんが、サイズが大きく価格が高いことが難点です。

「熱風」は1000℃程の熱風でヒートする方法で、扱いやすく適用範囲の広い加熱手段でエアーなどを電気加熱し吹き出すだけのシンプルな原理ですが、安定性・安全性・高性能でサイズがコンパクトで低価格な点などがメリットです。

デメリットは先ほどの「光」の利点とは逆に、風で飛んでしまう物には使用ができないことですが、非接触ハンダ付けなどの多くの分野で実績が豊富で、塵やガスの放出を極限まで排除したヒーターですので半導体製造などの精密機械を扱う際のクリーンルームでの使用に適しており、発熱体・センサー・電線も被加熱流体に直接接触しないため水蒸気などのヒーターにも使用することが可能です。